誰でも自分の気持ちが一番大切です。自分という存在はその気持ちこそが自分ですから、何かに対してどう感じたり考えたりするかが大きな問題です。
ですが自分の気持ちを大切にするあまりに度が過ぎると、心の発達の妨げになってしまうことがあります。私たちの心はまだまだ未熟で発達の途中です。他の気持ちとのかかわり合いの中で互いに高め合っていくことが本来の生き方です。自己中心では他を高めることも自分を高めることもできません。
自覚のない自己中心
もし、あなたは自己中心ですか、と聞かれたらどう答えますか。ほとんどの方は、自分は自己中心ではない、と答えるのではないでしょうか。自分が自己中心である覚えはありませんし、多少そういった傾向があったとしてもそれを認めようとはしません。自己中心が決して良いことではなく、みんなに嫌われる存在であることがわかっています。
ですが重傷の自己中心ほど自分が自己中心であることがわかりません。自己中心は自覚症状のない心の病気なのかもしれません。
そして自己中心には、自分は正しい、という思いがあります。全く根拠のない考えですが常に自分を支配していてこの思いを変えることができません。この思いが自分を正当化し、自分の気持ちに執着してしまう原因だと思います。
ですから何か自分に不都合なことがあればそれを他の人の責任にすり替え、自分の気持ちが傷付かないように守ります。この思いは心の発達を阻害してしまいます。
私たちは多かれ少なかれ自己中心的な心は誰でも持っていると思います。自分の気持ち通りに生きることが当たり前であり、それ以外の生き方はできません。自分が正しいと思う道を進むしか他に選びようがないんですね。
ですから自分の立ち位置というかポジションをどこに置くかがとても重要なこととなります。自分のポジションが高いところにあれば自分の気持ち通りに生きていても他に悪い影響を与えてしまうことはありません。ですから自分を高める努力を欠かすことはできません。
自己中心の恐ろしさ
私たちは本来全体の中の一部としての役割りを頂いております。一人ひとりが独立して生きているわけではありません。ですから全体を良くしていくことが自分の喜びとなり、そのことでの恩恵も受けることができます。
自己中心では全体の中で必要とされている役割りを果たしていくことができないんです。
その役割りとは果たさなければならない絶対的なものです。役割りを果たせないものは存在する意味も価値もありません。
自己中心的な心しか持っていないと自分のことにしか関心を持ちません。常に考えていることは自分のことであり、自分を中心とした狭い視野でしか見ることができません。ですからあらゆることを自分を主体に考え、他の人の気持ちを考えることもできず、自分が思っていることの表現しかできません。自分の気分が最優先であり、それが他の人を嫌な気持ちさせたとしてもお構いなしです。
そうして生命の力を自分の内側に向けて使ってしまうと、自分の心は圧縮されて少しずつ小さくなっていき、やがては消滅してしまうそうです。自己崩壊により消え去ってしまいます。
言葉にしてみると大したことではなさそうに思いますが、これは大変なことです。今まで長い時間を使って作ってきた自分の気持ちが跡形もなく消えてしまうのですから。これは身体がなくなる死というものよりはるかに苦しみは大きいそうです。自分がなくなってしまうのです。
全体の役に立ち自分を発展させていく
この世界は事実だけが通用する素晴らしく時には厳しい世界です。どんな気持ちで何をしたのか。その事実だけが結果であり、どんなに言い訳が上手であってもその結果はごまかすことができないんです。
もし自分の心臓が自己中心で、今日は調子が悪いので休みますとか、いつも同じでつまらないから違うことをしますなどと言って役割りを果たさなければどうなってしまうでしょうか。結果は火を見るより明らかですね。
自己中心は原因は心の未熟さであり幼稚なためです。そのことを早く自覚しましょう。幼稚な心では誰にも必要とされず、役に立つための役割も与えてもらえません。いつまでも孤独なさびしい気持ちで生きていかなければなりません。
生きるということは私たちが考えている以上に大変なことかもしれません。格好をつけてたいした苦労もせず素晴らしくなっていけるほど生易しいことではないのでしょう。なりふりかまわず這いつくばって必死になって努力してやっとつかめることなのかもしれません。自己中心などの自分の甘えが通用するすき間は一分もありません。
でもあなたがそこで見つけ、つかんだものは永遠に消えない素晴らしいものです。
私たちは何回もの人生を通して少しずつ成長していきます。ですからこの人生においても何かをつかまなければ生きた価値がありません。そのためにも自分の心を発展的なものにしていかなければなりません。
発展的な心とは他の人をプラスにする愛の心、親心・真心であり全体を良くしていける心です。他をプラスにした分だけ自分が発展し、マイナスを与えた分だけ自分がどんどん縮小していきます。それが大自然の摂理であり絶対なことです。
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