私たちの心には知ることのできる力である知性と考え正しく判断する力の理性、何かを感じ取ることのできる力の感性という三つの力を頂いています。心を成長させるためにはどれも欠かすことのできない能力ですが、普段の生活においてはあまり意識することはありません。知る考える感じるというとても大切な心の働きについて少し考えてみましょう。
知性・理性・感性の働き
生きるということは瞬間的な静止したものではなく、時の流れとともに絶えず変化していく活動的なものですね。命あるものは止まることなく継続的に変化をし続けます。命とはそんな力であるようです。
ですから心も止まっていることはなく常に動き続け何かをしています。いろいろなことを知りながら知識を豊かにし、考え方も一つではなく様々な角度から考えられるように思考の幅を広げ、得られた知識や考えをもとに今までとは違う感じをつかんでいく。そんな心の動きが正しい成長なのではないでしょうか。
その心の使い方ですが普段の生活ではほとんどが知性や理性よりも感性の働きが多いようです。日常の生活ではあまり考えるということをしなくても暮らしていくことができます。大体のことは分かっていますし新しい情報があってもその大半は忘れてしまいます。特に今の生活はリズムが速いのでいちいち考えていたのでは間に合いません。目の前で起きていることに瞬時に対応しなければなりませんので、そのほとんどが感性、感情の出番となります。感性は早く立ち上がり理性は時間がかかるようです。
とっさのことに反射的に何かをしてしまったり、変なことを言ってしまったりして後になって後悔することがよくあります。よく考えれば分かることがすぐには出てきません。感性と理性はこんな関係のようです。感性が自分の心に一番近いのかもしれませんね。
心の成長を考えてみると知性や理性はとても大切であり、知識や意識の幅を広げていくことは欠かすことができませんね。そして気持ちの大半を支配している感性をより素晴らしくしていくことが自分の心を磨いていくことだと思います。その三つの力が調和して素晴らしい心を創っていきます。
感性を豊かなものにしていく
感性は知性や理性に比べると少し不安定な気がします。知性や理性は穏やかな性質のようであまり上下に揺れたりしませんが、感性は時としてすごく鋭くなったかと思うと鈍くなったり、登ったかと思えば落ちてみたり、全く制御不能になってみたりします。心が感性だけになってしまったら大変なことになってしまうと思います。ですから知性や理性を使って感性を安定させていくことも成長の過程では大切なことでしょう。
知識や意識は自分が心がけることによって広げていくことができます。みんな好奇心がありますから新しいことや本当のことを知りたい欲求は誰もが持っていますし、知識が大きくなれば考えも広がります。そうして知識や意識の広がりにより感性は不安や恐怖などの負の気持ちを感じることが少なくなり安定していきます。
正しい知識を広めていくこと。そして事実に基づいた思考ができること。そうしていくうちに感性も安定して本物を感じていく力が付いていくと思います。事実ではない物語やうそを事実だと思い込み、信じてしまっては感性も本当のことを感じることはできません。
何かを感じたり気が付いたりすることや、自分の今の気分を決めるのも感性の働きですね。ですから感性を安定させて制御する力を付ければ感性の持つ力を活かすことができます。感性が豊かであれば気持ちも豊かになります。
そして感性には目に見えない形のないものを感じ取ることができる力があります。目には見えないものをいかに現実感をもって自分の心に取り込むことができるか。とても重要な力です。
この世界には形のあるものとないものの両方が存在しますが、目に見えない形のないものの方がはるかに多くあり、なかなかつかむのが難しいです。命や気持ちもそうですね。目には見えませんが確実に存在します。そのためにも感性を磨き研ぎ澄ましておく必要があります。
考えそして感じられることの素晴らしさ
まだまだ私たちには知らないことがたくさんあります。この先ももっといろいろなことを知らなければなりません。好奇心は子供だけのものではありませんのでどんどん知識を広げていきましょう。
その知識をもとにたくさんのことを考えましょう。考えることに終わりはありません。どこまでも深く掘り下げて考えることができます。
知り考え感じることにもう十分ということはありません。
感性を研ぎ澄まして感じなければならないものは 生命の大親 のご存在でありこの世界のすべてをして下さっている現実を実感することです。知性も理性も本当のことを分かるために頂いた力であり、素晴らしい心を創るためには絶対に必要なことです。そのことを分かりさらに深めていくが心を素晴らしく大きくしていきます。
その大きくした心で他に何かを与えてみましょう。あなたの心は自分が満足するために頂いた訳ではありません。より多くの素晴らしさを他に与えることできるようになるために成長する必要があります。他に素晴らしさを与えることで自分にその素晴らしさが必ず巡り戻ってきます。それが本当の歓びです。
色々なことを知りそして考えをさらに深め、様々な思いを感じて生きていく。これは本当に素晴らしくありがたいことです。もし命を与えて頂かなければ決して味わうことのできないことです。たとえそれが苦しみや悲しみであったとしてもそれは一つの味わいであり、そこから発展していくことができます。命がなければ絶対的な無であり味わいも何もありません。自分という存在すら感じることはありません。
生きていることの意味とはお与え頂いた生命の力を、自分の信じる目標に向かい出し尽くすことかもしれません。命の力のすべてを使って努力する。それができる心を創っていくことが生きる目的であり、命を頂いたものの使命かもしれませんね。
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