自分という存在は自分の心そのものです。これから先も自分の心以外の気持ちで生きていくことはできません。ですが私たちは心の大切さをわかっておらず、自分の心も他の人の心も平気で傷つけてしまいます。体は失くなってしまっても心はずっと残ります。そんな一番大切な自分のこころのことを考えてみましょう。
自分という意識のかたまり
大自然の大いなる生命のお力お働きにより、私たちは今この世界に心という自分だけの意識を持って生きています。
身体も自分の一部としてたくさんの機能を持って役立ってくれていますが、身体自体は何かを感じたり考えたりはしません。この世の中と心をつなぐための媒体のようなもので、自分が自分として認めているものは心であり意識ですね。ですから身体の有る無しに関わらず自分とは自分の心のことです。
この自分の心という厄介なものはいつまでも自分から離れてはくれません。ずっと自分の心と一緒に生きていかなければなりません。今の人生がやがて終わり、心の世界に戻ってもずっと一緒です。そして次に生まれ変わる時もずっと一緒です。自分の心が自分なんですからごく当たり前のことですが、そんなふうに考えたことがありますか。
命の活動に終わりはありませんから、たとえ身体がなくてもずっと続きます。ですから心にも終わりはなくずっと自分であり続けます。これがどういうことかわかりますか。自分が終わることはないんです。
今までは生命の永遠性など考えたこともなかったので、この人生が終わる時には自分が亡くなってしまうと思っていました。ほとんどの人は死とは自分の終わりと考えていると思います。でも実際はそうではないようです。
自分が自分であり続けること。このことにはかなり複雑な感情が生まれると思います。自分が失くなってしまう恐怖からは救われますが、その途端に自分から逃れられない思いにかられます。良くても悪くても一生は一生と、半ばあきらめと開き直りで生きてきたものにとっては都合のよいことばかりではありません。どんな自分であっても死んでしまえばすべて水に流せると刹那的に生きている人も多いのではないでしょうか。たぶん自分もその一人ですが。そう都合よくはいかないようです。ではどうすればよいのでしょうか。
この解決策は一つしかありません。ずっと末長く付き合っていける心につくり直していくことです。自分の心は他の心と取り替えたりリセットできるものではありませんので、今の心を素晴らしいものに変えていくしか方法がないんです。
自分の心をつくり直す作業は自分にしかできません。誰かに頼んだりあてにしても無駄なことで、これだけは自分でやるしかありません。今までも自分の心を自分でつくってきたのですから、これからもずっと続いていく終わりのない作業です。頑張って素敵な自分に仕立てていきましょう。
自分の心をつくり直すと簡単に書きましたが、一旦つくってしまった心を変えていくことはものすごく大変です。誰もが自分を変えたいと願っているのに、変わったという話は聞いたことがありません。自分でつくった自分の心を壊していくのですから、心は自分を守ろうと必死になって抵抗します。想像を絶する痛みをともなうことは覚悟しなければなりません。
ここで自分の心を変えなければこの先もずっとずっとそのまま生きていかなければなりません。いつかやらなければならないことであれば今頑張ってやるしかありません。そうしなければいつまでたっても次の段階に進むことはできません。
心をつくり直すのも人それぞれ違いはあると思いますが、多くの方がまず直面する問題が自己中心、自己満足の心です。あらゆることを考えるときに自分中心にしかとらえられず、すべての判断が自分に都合のよいものになってしまいます。相手の気持ちなどお構いなしで自分だけが満足する、自分独自の基準でしか考えられない独りよがりで身勝手な意識です。みんな自分が自己中心であることすら気が付かないほど自分の気持ちだけで生きています。
他の心との関わり合い
私たちはたくさんの違う心を持つものの集まりとして社会を形成しています。社会全体の一員として生きているのですから、社会全体のことを考えて役に立てる存在にならなければ価値がありません。自分という一つの存在であっても必ず何かに属し、その全体の一部としての役割りがあります。
自分の心を高めていくことは自分だけのことではありません。自分の心が社会全体に影響していることを考えていく必要があります。
たったひとつの心でもそれは全体に影響を及ぼします。自分ひとりぐらいどうってことはないと、全体のことを考えられず好き勝手に秩序を守らずに生きていれば、全体としての価値を下げてしまいます。このことは目に見えて何かが起きるわけではないのでとても自覚しにくいと思いますが、個人にも全体にも確実に悪い影響が出ます。高価な美術品にたったひとつ傷がつくことでその価値を大きく下げてしまうのと同じことです。
たくさんの心が集まりともに生活しているのに、みんな自己中心の心であったら一体どうなってしまうのでしょうか。そこには秩序も調和もない無法地帯と化してしまいます。みんなが自分の利益や都合を考えての主張ばかりでは調和のとれた社会などできるはずがありません。そんな考えただけでおぞましい光景ですが、今の社会が少しずつ近づいている気がするのは気のせいでしょうか。
人生において心を創ることはほとんどが他の心との関わり合いによりできていきます。互いの心に何かを与え、何かを受け取る繰り返しにより何らかの影響を与え合いながら心は創られていきます。
言葉や行いにより表現された気持ちは与えた相手の心に影響を与えます。何の気なしに発したものであっても、相手の心に感動を与えることもあるでしょうし、傷つけ深く残ってしまう場合もあります。気付かぬうちにたくさんの心に何らかの思いをさせていることを自覚してください。
自分の心はとても大切です。それは他の人にとっても同じことです。互いの心を思いやり尊重し良い影響を与え合う関係を増やしていくことで心は少しずつ広がり、調和も生まれてきます。良い影響を与えることを第一に考え、もし悪い影響を与えてしまったときはそのことを素直に認め埋め合わせをする。そういった互いに気遣う積み重ねによって信頼関係を築いていく努力が自分の心を高めていきます。
何かを考えるときに基準としなければならないことは正しいか正しくないかです。ですが実際は自分が好きか嫌いか、都合が良いか悪いかで判断しているのが大半だと思います。
自分の中が自分でいっぱいになってしまえば、自分のことしか考えられなくなります。正しい判断もできなくなり誰の話も聞かず、まわりに自分を押し付けることしかできません。
一人ひとりが全体のことを考え、まわりの心にも気を使い互いに高まり合う社会になれば、もっと平和で安心して暮らしていける世の中に変わっていきます。それは地球を取りまく自然環境ですら変えていくことになります。そのために生きることに対してもっと真剣に考えてみましょう。してもらうばかりではなく、自分が社会の一員としてどのように貢献していけるかを。そうして創った自分の心は決して嫌なものにはなりません。心の中に全体観を育てていくことはとても大切です。
ただ黙ってじっとしていても役には立てませんから、よく考え積極能動的に参加しましょう。傍観者では生きていることになりません。
御心に近づくために
私たち命あるものはすべて自分の心を持っています。命のおかげで喜んだり悲しんだり、感動したり驚いたりする気持ちを味わうことができます。幸せだとか愛おしいと感じることができるのもすべて命あればこそです。
私たちに生命を与えてくださった生命の大親の御心に沿って生きていくことが、本来の生き方であり最高の生き方です。ですが私たちはまだ御心を知ることができません。まだまだ私たちの段階ではあまりに違いすぎるため御心に通じることはできないようです。それでも私たちは素晴らしく生きていかなければなりません。
私たちはまだ御心には届かないとしても、生命の大親に生命を頂いていることに変わりはありません。ですから生命の力だけでも感じてみましょう。ずっと生きていることが当たり前でしたかたら、命を特別なものと意識したことはなかったと思います。貴い生命を頂けたからこそ素晴らしく生きています。
自分の中の生命の鼓動を感じてみましょう。それは果てしなく続くどこまでも広い無限の活力です。その感じを身につければ小さな自分の気持ちなど、取るに足らないものであることが如実に感じられるでしょう。そしてその命の力を全体のために使いましょう。それが私たちの歩むべき唯一の道かもしれません。
大自然の大いなる生命のお力お働き 大親神大生命 は全体が一体となり調和し発展していく力と働きにより、この世界をお創り下さいました。全体が発展していくことが大切であり、その一部である私たちにもそのお力が働いています。
私たちはそのことをわからずただひたすらに自分の低俗な欲求の実現のために生きてきました。これは御心に背いた生き方です。生命あるもののすべてが全体として発展していくことを目的に生きていくのが本来の姿です。それは一部としてのすべてのものにとっても大きな歓びであるはずです。
生命の無限の力を実感し、お与え頂いたことへの感謝の気持ちが本物であればその思いは必ずや御心にも届くように思えます。その気持ちを大切にし純粋に生きることで心の中の邪魔なものはいつの間にか消え去り、輝く真心が少しずつできていくような気がします。もう今までの損得ばかりの計算ずくの考え方や自分を偽ることをやめにして、大自然の摂理に沿って真心で生きていきましょう。次の舞台はもうそこまで来ていますから。
自分の心を高いものにつくり替えることができれば、ずっと高い意識でこの世界を生きていくことができます。それは御心に沿った役割りを果たすことができる心になることです。生命はそのために頂きました。
大自然の大いなる御心に沿い、全体の役に立つことができる自分を目標に素晴らしく生きていきましょう。この人生を感謝と感動の気持ちにあふれた最高の人生にするために。
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